「自分の快適ゾーンから抜け出そう」
これは、スクラップブッキングをしているよとよく聞くコンセプトですよね。自分の快適ゾーン、殻、固定概念などから抜け出すことで、新しい発見や今までとは違う自分の可能性に気がつくことができる、というもの。
普段から面倒くさがりなわたしは、この言葉を聞いても、CK誌で特集が組まれても、「ふーん、へ~」と馬の耳に念仏...。新しいテクニックや苦手なアイテムにはあまり手を出さず、自分の快適ゾーンの中でぬくぬくと過ごしていました。もちろん、苦手なアイテムを使って想像以上に気に入ったレイアウトになることも度々あったのですが、自分から積極的に取り入れていくことはありませんでした。
オーストラリアに滞在中、以前ブログでもご紹介したジェニーさんのお店で、デザイナーとしてキットのサンプル製作をしていました。キットはすでに組まれていて、わたしはその中から気に入ったものを選び、サンプルを作ればよいのです。目の前の大きなテーブルいっぱいに並べられたキットの中から、好きな色、好きな柄、前からほしかったアイテム、作りやすいと思ったものを中心に選んでいきました。
けれど、そうやって数回サンプル作りをした後、これは絶対に自分では買わないな~~というキットに遭遇してしまいました。「甲乙つけがたいけど、これにしよう...」と選んでいたそれまでとは違って、絶対に欲しくない!と心から思ってしまったのです。そんなキットをしげしげと見つめていたら、ジェニーが「それにするの?」と、ニッコリひと言。わたしは「ううん、すごく苦手で、趣味じゃないな~。」と答えてしまいました。そんなわたしに、ジェニーはさらにニッコリして「じゃあ、“自分の快適ゾーンを抜け出して”、挑戦してみたら!」と、言ってくれたのです。
ジェニーに背中を押され、キットを家に持ち帰って机の上に並べてみると、12インチのペーパーに印刷されたジャーナリングカードの言葉が目に留まりました。そこには、
You should know...
あなたが知っておくべきことは・・・
Remember:
覚えていて:
と書かれていました。
その言葉をじっくりと考えたとき、頭に浮かんできたのは6歳にして、もう乙女の悩みをもつ長女のことでした。オーストラリアにいたので、周りは目が二重でパッチリしていて、まるで人形のようにかわいい子供たちばかり。そんな子供たちを見て、「いいな~、わたしも目が大きくて、黄色い髪になりたい。足がぷるぷるしてるからもっとやせたい。」と長女は言うのです。
(逆にオーストラリアのママたちからは、日本人のような目と黒髪になりたいと子供たちが言っているのだと聞き、隣の芝生は青いのだな。。。と思ったものです)
確かにオーストラリアの子供たちはかわいいけれど、わたしは長女も十分かわいいと思っていたのです。親の目から見ても、世間からちやほやされるような美少女やアイドルは夢また夢だけれど、自信を持って自分の美しさを信じて欲しいと思っていました。
日常の中で度々、「そんなことないよ~、かわいいよ!」と言うことはあったのですが、まだちゃんと伝えていなかった、とジャーナリングカードを見て気がつくことが出来ました。そこで、わたしがかわいいな、やせっぽっちだな、と思う長女の写真を使って、作ったのがこのレイアウトです。
お店に飾られるためジャーナリングは英語ですが、頭の片隅でいつも考えていたことを、このジャーナリングカードによって取り出された気分がしました。そして、このレイアウトを作ることが出来たことに、とても感動してしまいました。毎日の雑事に追われ、大切なことをちゃんと伝えていなかったことに気がつくことが出来たのです。
もちろん、レイアウトを長女と二人で眺めながら、私の思っていたことを伝えましたよ^^/ 今すぐは娘の心に届かないかもしれないけれど、いつか自分に自信を持ってくれるようになるといいな、と思います。
私が苦手だと思ったアイテムにも、それを作ったスクラップブッキングのエキスパートたちの知恵や経験が生かされているのだと感じた出来事でした。
Lei